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「少子化社会対策基本法案」に対する私たちの意見

少子化社会対策議員連盟御中

 少子化社会対策基本法案が、近々審議されると聞き、私たちの意見を書かせていただきます。
 この法案を読んで、人口政策の観点から「子供を増やす」ことだけに着目しているように感じられ、違和感を覚えました。「少子化社会対策基本法(案)」であれば、子供の少ない社会をいかに運営するかという観点があってよいと思います。人口の増減に関する政策は、とかく女性の妊娠と出産機能を管理することに傾きがちです。わが国にも、明治以来現在まで刑法に堕胎罪が存在するなど、女性を子供を産むための道具であるかのように見る姿勢があります。カイロ国際人口開発会議以降、「人口問題」の解決には、管理的な政策ではなく、女性の人権とくに生殖における健康と権利を尊重することが重要であるという認識が国際的に定着してきています。「いかにして産ませるか」という法案の発想は、この流れに逆行するのではないでしょうか。

 現代は、出産・子育てを女性に重荷と感じさせる要素がたくさんあります。次々に開発される出生前診断の技術は、「病気や障害を持たない健康な子供を」と生まれてくる子供に条件をつけます。"3才児神話"や母性幻想の呪縛が、母親を駆り立てています。依然として婚姻外の子供に対する差別があります。法案の第6条にある「子育てに夢を持つ」ことができる社会を目指すのであれば、こうした女性への過度の子育て負担をなくすことこそが大切ではないでしょうか。法案がこうした差別・母性幻想をかえって強める危険を感じるのです。

 法律が号令をかけなくても、子供を欲しいと思っている人はたくさんいて、「人口政策」ではない子育ての支援が求められているのも確かです。しかしそれが、女性に対する圧力を高めたり、様々な理由から産まない女性に対する非難を強めることがあってはならないと思います。
 今後の審議にあたって以上のことが留意されますよう、強く要望いたします。

1999年3月30日
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