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 政府はハンセン病賠訴訟への控訴をしないよう強く求めます


 私たちは、産むことや産まないことをめぐって、女性が差別や抑圧されない社会を求めて活動している女性グループです。82年から活動を開始し、優生保護法や堕胎罪、リプロダクティブ・ライツ(性と生殖に関する権利)を課題とし、講演会活動、出版活動などを行い、厚生省の厚生科学審査会においてヒアリング団体として出席依頼を受けたり、第1回加藤シヅエ賞を受賞するなどの実績をもちます。

 私たちは、産む・産まないを他者から強制されることが、どんなに辛いものか、20年間におよぶ国内外の出会いを通して、身にしみて感じています。産むこと、産まないことを、人口政策や社会防衛に利用する社会は、個人とくに妊娠機能をもつ女性、そして障害をもつ人の人権を著しく抑圧します。そのことから私たちは、人口政策や社会防衛の役割を担ってきた優生保護法の問題性を訴えてきました。ですから、「ハンセン病」の患者さんたちが、優生保護法において「不良な子孫」と規定され、不妊手術や人工妊娠中絶手術を受けさせられてきた歴史には、私たちも他人事でない怒りを感じてきました。
 隔離政策によって受けた言語に絶する差別や抑圧、産むという営み・子どものいる暮らしを奪われるなど、さまざまな人権侵害の被害を受けてきた元患者さんたちは、今回の熊本地方裁判所の判決によって、やっと人間としての誇りをとり戻すことができたと言っておられます。私たちにとってもこの判決には、心の晴れる思いがしました。

 この判決に対して国が控訴することは、彼ら・彼女らの誇りを、またもや踏みにじり、長年にわたって与えた傷に、さらに塩をぬる非人道的な行為にほかなりません。
 和解などを考えるのではなく、とにかく、控訴を断念してください。

 私たちは、日本政府が、2001年5月11日に出されたハンセン病国賠訴訟に関する熊本地裁の判決に対して、一切の控訴を行わないことを強く求めます。

2001年5月20日
  東京都新宿区富久町8−27ニューライフ新宿東305
電話・FAX 03−3353−4474
              SOSHIREN女(わたし)のからだから